食品製造業が使える補助金4選【2026年度版】製造ラインの自動化から販路開拓まで
2026-09-14 更新 / 補助金かんたん診断 編集部
原材料やエネルギー、包材の価格上昇に加えて、盛り付けや包装といった手作業の工程を担うパート従業員が集まらない——食品製造業の現場は、コストと人手の両面から圧迫されています。取引先からの値下げ圧力も根強く、「人に頼る工程を機械に置き換える」「利益率の高い自社商品を育てる」ことが生き残りの条件になりつつあります。
食品製造業は、設備投資・省人化・販路開拓のいずれにも使える補助金があり、補助金との相性が良い業種です。この記事では、惣菜・弁当・漬物・味噌・麺類・菓子などの食品工場が実際に使いやすい補助金を目的別に4つ紹介します。
① 新商品の生産設備・製造工程の改善なら「新事業進出・ものづくり補助金」
冷凍惣菜の新ラインを立ち上げるための急速冷凍機、賞味期限を延ばすための真空包装機やレトルト殺菌装置、自社ブランド商品の量産設備——新しい商品や生産プロセスを生み出すための設備投資は、この補助金の対象になり得ます。ポイントは単なる老朽設備の更新ではなく、「その設備で何が新しくできるようになり、どれだけ付加価値が上がるのか」を事業計画で示すことです。OEM中心から自社商品の展開へ、店舗向けから通販・輸出向けへといった事業の転換は、まさに想定されている使い方です。
2026年度からものづくり補助金と新事業進出補助金が統合され、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に再編されました。第1回公募は2期制で、申請受付は第1期が2026年8月31日〜9月30日18:00、第2期が9月30日〜10月30日18:00です。賃上げに関する要件があり、達成できなかった場合は補助金の一部返還を求められることもあるため、申請前に公募要領を確認するか専門家に相談しておきましょう。
この補助金の詳細
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(旧 ものづくり補助金)
最大 3,500万円 / 補助率 1/2(条件により2/3、小規模事業者は2/3)
② 包装・盛り付け・カットの省人化なら「中小企業省力化投資補助金」
人手不足に直結する工程の機械化には、省力化投資補助金が合います。事務局のカタログから製品を選ぶ「カタログ注文型」(最大1,500万円)には、スチームコンベクションオーブン、自動フライヤー、食品スライサー・カッター、食品の包装機・成形機など、食品製造の現場で使える製品カテゴリが用意されています。カタログに載っている製品を販売事業者と一緒に申請する方式なので、手続きの負担が比較的軽いのが特長です。
自社の工場レイアウトに合わせて搬送から計量・包装までを組み合わせたいなら、オーダーメイドの「一般型」(最大1億円)を検討します。一般型の第8回公募は申請受付が2026年9月18日10:00〜10月16日です。どちらの型も「人手不足の状態にあること」が要件なので、求人を出しても人が集まらない、残業で生産量を維持しているといった状況を具体的に説明できるようにしておきましょう。
この補助金の詳細
中小企業省力化投資補助金
最大 1億円 / 補助率 1/2以内(小規模事業者等は引上げあり)
③ 商談会出展・パッケージ刷新・通販サイトなら「小規模事業者持続化補助金」
食品製造業は「製造業その他」に分類されるため、常時使用する従業員が20人以下であれば小規模事業者として持続化補助金を申請できます。商業・サービス業(5人以下)より枠が広く、パート従業員を抱える小さな食品工場でも対象に入りやすいのが嬉しいポイントです。食品展示会や商談会への出展、贈答用パッケージのデザイン刷新、商品パンフレット、自社商品を売る通販サイトの制作など、新しい販路をつくるための費用が対象になります。
ウェブサイト関連費は補助金交付申請額の1/4が上限なので、展示会出展やパッケージ刷新と組み合わせて計画を立てるのが現実的です。申請には地域の商工会議所・商工会が発行する事業支援計画書(様式4)が必要で、第20回の申請受付は2026年11月5日〜12月15日17:00、様式4の発行受付締切は12月4日です。
この補助金の詳細
小規模事業者持続化補助金
最大 250万円 / 補助率 2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4)
④ パート従業員の時給引き上げとセットなら「業務改善助成金」
食品工場の時給は地域別最低賃金に近い水準になりやすく、最低賃金が上がるたびに人件費が膨らみます。事業場内でもっとも低い時給を引き上げる予定があるなら、業務改善助成金を検討してください。賃上げとあわせて生産性向上のための設備を導入すると、その費用が3/4〜4/5の助成率で支援されます。小型の包装機や計量器、洗浄機など、少人数で生産量を維持するための投資と賃上げを同時に進められる制度です。
令和8年度の申請受付は2026年9月1日に始まり、締切は各都道府県の地域別最低賃金の発効日前日か2026年11月30日のいずれか早い方と、受付期間は短めです。コースは50円・70円・90円の3区分に再編されました。注意したいのは「賃上げは交付決定の後」という順序で、先に時給を上げてしまうと対象外になります。
この補助金の詳細
業務改善助成金
最大 600万円 / 補助率 3/4〜4/5(事業場内最低賃金による)
まとめ
食品製造業の補助金活用は、「新商品の生産設備なら新事業進出・ものづくり補助金」「包装・カットなど工程の省人化なら省力化投資補助金」「商談会出展やパッケージ刷新なら持続化補助金(20人以下)」「時給引き上げとセットなら業務改善助成金」という使い分けが基本です。人手に頼る工程を減らす投資と、利益率の高い商品を売る投資を、制度を組み合わせて進めるのが効果的です。
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