保育園・こども園が使える補助金4選【2026年度版】ICT化・賃上げ・保育士の正社員化まで
2026-08-24 更新 / 補助金かんたん診断 編集部
保育の現場ほど「人手」に依存している業種はありません。配置基準で職員数が決まっているため人件費を削る余地はなく、保育士の採用難と定着の難しさは年々深刻になっています。一方で、登降園の記録、保護者への連絡帳、指導案や日誌の作成といった事務作業は今も紙のまま、という園が少なくありません。この事務負担こそ、補助金で軽くできる部分です。
この記事では、保育園・認定こども園・小規模保育・企業主導型保育といった保育事業者が使いやすい補助金・助成金を目的別に4つ紹介します。保育業界は運営法人の形態(社会福祉法人・株式会社・個人など)によって使える制度が変わるのが特徴なので、その注意点もあわせて整理します。
① 登降園管理・保護者連絡・請求業務のICT化なら「デジタル化・AI導入補助金」
登降園の打刻、連絡帳アプリ、お便り配信、延長保育料の計算・請求、写真販売——保育業務支援システムを導入すると、紙とエクセルで回していた事務が一気に軽くなります。こうしたITツールの導入費用を支援するのがデジタル化・AI導入補助金です。2026年度からIT導入補助金より名称が変わりました。クラウドサービスの利用料が最大2年分補助されるため、月額課金型の保育ICTシステムとは特に相性の良い制度です。
対象は中小企業・小規模事業者等で、株式会社や個人事業主だけでなく、常時使用する従業員300人以下の社会福祉法人も対象に含まれます。事務局に登録済みのITツールを、IT導入支援事業者(ベンダー)と一緒に申請する方式なので、導入したい保育システムのベンダーに「補助金を使いたい」と伝えるところから始められます。通常枠は1〜2ヶ月ごとに締切が設定されており、直近では第5次締切が2026年9月29日です。
この補助金の詳細
デジタル化・AI導入補助金2026(旧 IT導入補助金)
最大 450万円 / 補助率 最大3/4(小規模事業者は一部4/5)
② 保育補助・調理スタッフの賃上げとセットなら「業務改善助成金」
パートの保育補助や調理スタッフの時給が地域の最低賃金に近い水準なら、業務改善助成金を検討してください。事業場内でもっとも低い賃金を引き上げるのとセットで、生産性向上につながる設備・システムの導入費用が最大3/4〜4/5助成される制度です。保育業務支援システム、自動体温測定、厨房設備の更新など、職員の負担を減らす投資と賃上げを同時に実現できます。
令和8年度は制度が大きく変わり、申請受付は2026年9月1日開始、締切は地域別最低賃金の発効日前日または11月30日のいずれか早い方です。例年より受付期間が短い短期決戦なので、使うなら見積もりの取得を今から進めておきましょう。注意点はひとつ、「賃上げは交付決定の後」という順序です。先に時給を上げてしまうと対象外になります。
この補助金の詳細
業務改善助成金
最大 600万円 / 補助率 3/4〜4/5(事業場内最低賃金による)
③ パート保育士の正社員化なら「キャリアアップ助成金」
「正社員登用を打診したいパート保育士がいる」という園なら、キャリアアップ助成金(正社員化コース)が使えます。パート・契約職員を正社員に転換した場合、中小企業なら1人あたり最大80万円が支給される制度で、設備投資が一切不要です。雇用保険の適用事業所であれば法人形態を問わず申請でき、社会福祉法人の園でも活用されています。処遇の安定は保育士の定着に直結するため、採用コストの削減効果も含めて考える価値があります。
手続きの順序は厳格で、「キャリアアップ計画書を労働局に提出→正社員へ転換→転換後6ヶ月分の賃金支払い→支給申請」という流れを守る必要があります。計画書を出す前に転換辞令を出してしまうと対象外です。令和8年度は、正社員転換に関する情報を自社サイト等で公表した場合の情報公表加算(中小企業は1事業所あたり20万円)も新設されています。
この補助金の詳細
キャリアアップ助成金(正社員化コース)
最大 80万円 / 補助率 定額支給(中小企業1人あたり最大80万円+加算)
④ 園児募集の広告・ホームページなら「小規模事業者持続化補助金」(株式会社・個人経営の場合)
少子化で園児の確保が経営課題になるなか、園見学の申し込みにつながるホームページの制作、入園案内のパンフレット、看板の設置といった「選ばれるための費用」を支援するのが持続化補助金です。ただしこの補助金には法人格の壁があります。対象は商工業者に限られるため、社会福祉法人・学校法人・医療法人は対象外です。使えるのは、株式会社や個人事業として運営する認可外保育施設・企業主導型保育・小規模な保育サービスなどに限られます。
加えて、サービス業として常時使用する従業員5人以下という小規模事業者の要件があるため、実際に使えるのは少人数で運営する施設です。当てはまる場合は、チラシ・Web・内装まで幅広く対象になる使い勝手の良い制度です。第20回の申請受付は2026年11月5日〜12月15日17:00、商工会議所・商工会が発行する事業支援計画書(様式4)の発行受付締切は12月4日です。
この補助金の詳細
小規模事業者持続化補助金
最大 250万円 / 補助率 2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4)
まとめ
保育事業の補助金活用は、「事務のICT化ならデジタル化・AI導入補助金」「賃上げとセットの設備投資なら業務改善助成金」「パート保育士の正社員化ならキャリアアップ助成金」「株式会社・個人経営の小規模施設の園児募集なら持続化補助金」という使い分けが基本です。運営法人の形態によって使える制度が変わるため、まず自園の法人格でどれが対象になるかを確認するところから始めてください。
どの制度が自園に合うか迷ったら、まずは無料診断で確認してみてください。5つの質問に答えるだけで、相性の良い補助金がわかります。